2000年3月2日 ぽちっと ![]()
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悶絶!文字通りの痛みを体感
医務で王さんのネタで思い出したました。
私は数年前に腕の手術をしてボルトを入れました。
一生入れっぱなしにする予定でしたので、劣化し難い・丈夫・軽い云々の理由で、両端にネジ山の切ってあるチタン製の長さ約40mm、太さ約4mmの立派なボルトを入れました。
(ボルトの記述が細かい(?)のには理由が・・・)
結局、術後2年程経過しても腕の調子がよろしくならないどころか、件のボルトが微妙に動いて周囲の骨を削っているとの事実が判明。
慌ててボルトを抜く手術をすることになりました。
手術自体は御大層なものではなく、単にボルトを抜くだけ。
当然、傷口周辺のみの部分麻酔。
自分で手術台の上に乗っかって、なんだかんだと機械を付けられました。
傷口周辺に針を刺し、それをレントゲン映像で確認しながらボルトを抜く場所と角度を確認するんだそうです。
ちなみにBGMはドリカム。
部分麻酔が効いてて痛みは全くありません。
しげしげと見ていたら、執刀医の先生が楽しげに(?)実況中継・・・もとい手術の説明を始めてくれました。
「この位の角度がいいかな〜」
「はーい、切りま〜す。ちくっとするかな〜?」
「ほら、ドライバーがレントゲンに映ってるよ〜」
などなど・・・。
「おお〜っ!」
自分の骨が動く様なんて滅多に見られるもんじゃありません。
かじりつくように画面を見てました。
・・・と、
ぎいやあぁぁぁっ!!
突然の激痛が脳天を突き抜けました。
「あ、押さえこんで!」
先生の指示で助手の方々がばたつこうとする私を押え込みます。
ぐりぐりぐりぐりぐりぐり・・・
骨をえぐられる痛みとは正にこの事・・・悶絶数十秒・・・。
「せ、センセー! 麻酔切れたの?!」
涙目で尋ねる私に先生は爽やかに、
「切れてないよ。骨の中までは麻酔がかからないんだよ。ははは・・・」
「・・・・・」(ToT)
言葉も無く引きつる私に、更に素敵なお言葉が・・・。
「このボルト、持って帰る?」
抜きたての血と髄液まみれのボルトをかざしながら言うのです。
「・・・はい・・・」
思わず肯いてしまいました。
「高いもんね、このボルト。良い物だよ。これで5万もするからねぇ・・・。じゃあ、君(助手の方に渡して)お持ち帰りだから洗って包んであげて」
一仕事終えられた執刀医の先生は、大変すがすがしく微笑まれました。
ストレッチャーに乗せられて手術室を出て行く私に、助手の方がちょっと血のついたコットンに包まれたボルトを黙って握らせて下さいました。
病室で看護婦さんが綺麗なガーゼに包みなおしてくれました。
そのボルトは現在、良い思いでのひとつとして私の貴重品箱の中に大切に仕舞われています。
・・・だって値の張るものだもん・・・。
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