緊急！でも困るのは

2002年10月23日　　関準優勝


数年前、某地方公共団体で１１０番の受報をおこなっていたときのことです。


「もしもし、救急車をお願いしたいのですが・・・」

家族が病気で苦しんでいる様子。

「それと、サイレンは消してきてもらえますか？」
「それはできません！　急いでおられるんでしょ？　緊急走行で赤信号でも通過するもので、事故防止のため思いっきり鳴らして走りますので・・・」
「はぁ」
「急がないのならタクシーで行ってください。けど、察するに緊急のようなんですけど・・・」

実はこういうこと、よくあるんです。

「わかりました。とにかくお願いします」

一旦は、それで出しました。


数分後、また電話がかかってきました。

「あのぉ・・・先ほどの者ですが・・・」
「どうされました？」
「サイレンの件なんですが・・・」
「ですから、鳴らさないわけにはいかないと説明したはずですが」
「いや、それはわかってるんですが・・・」
「？？？」
「思いっきり鳴らすんじゃなくて、普通くらいでお願いできないですかねぇ」


参った！　アンタの勝ち！

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