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勧誘!売られたモノ

2002年8月28日  めがねぶた


いつも楽しく読ませて頂いております。
ネタになるかな・・・と思いつつ投稿させていただきます。


それは今から一昔前。私がまだ「若い女の子」と呼ばれていた時のことです。
当時、私は某生命保険会社営業のオバチャン50名以上いる営業所にて、事務員として働いておりました。

保険のオバチャンというのはみなさま、一癖も二癖もある方ばかりです。
なにせご存知とは思いますが、勧誘のために配る飴も保険の設計書も、何もかもが自腹です。気弱ではやっていけません。

契約をとるためならば何でもする。それくらいの気概がなければ続けられません。

通常100人入社して3年後に1人残っているかどうかといわれる世界です。
そんな世界で在籍10年以上という方たちばかりでしたので、それはそれはアクがあるというか、ネタの宝庫というか・・・

「契約を取るために自分の体を提供する」という噂もありますが、ここのオバチャンたちに限っては、お客さんの方で遠慮してしまうのではないか。
なにせ、平均年齢が50代の方ばかりでしたので、そういう話はないだろうと私は思っていたのです。


そんなある日。
私は営業員のAさんに声をかけられました。

「今日はごめんなさいね」

その日、Aさんは入金処理の機械の操作を間違い、機械を操作不能に陥らせて、その尻拭いを私がしたばかりでした。

「本当にごめんなさいねぇ。でね、おわびに夕食をおごらせて」

お、一応気にしているんだ、めずらしいなぁと思いつつも、

「気にしてませんから。いきなり言われても、今日はもう遅いので帰ります」
「でも・・・そうねぇ。じゃ、明日、夕食をご馳走させて」

いつにない下手に出た態度です。

あんまりにも言うので、翌日の約束をしました。
正直、一人暮らしで給料日前だったので「一食浮く!」と喜んだのですが・・・


翌日。

指定された待ち合わせの場所には、Aさんともう一人・・・がいました。
Aさんの兄弟かもしくは旦那さまかな、と思ったのですが・・・

「めがねぶたさん、この方、Bさん。私のお客さん」
「はぁ・・・」

そして夕食は三人で取り・・・
なぜか私は、Bさんに連れられて飲みにいくことに。

「いやぁ、Aさんが保険に入ってくれってうるさくてね。でもさ、ほら・・・オレ独身でしょ。仕事忙しくて彼女つくる暇もないし。だから嫁さんになってくれる人紹介してくれたら入るよって約束したの」


・・・そうです。
私は契約のために売られたのです。


ちなみに当時の私は20代前半です。
Bさんは見かけは50歳くらい。実際は私より20歳年上の方です。

その夜のことは正直、思い出したくもありません。
セクハラ満載のBさんをかわしまくり、ホテルに連れ込まれそうなところを何とか逃げ出しました。


その翌日から、Bさんからは会社に私宛てにものすごく電話がかかってきます。

「今度、食事しよう」「飲みにいこう」「次回こそはゆっくりすごしたいね」
「両親に紹介したい」「ドライブにいこう」
・・・

Aさんと契約されたので一応はお客様です。キツイことは言えません。
というか、あまりな成り行きに、どうしたらいいかわかりませんでした。

他の事務員に相談して、さしあたり私は電話をなるべく取らず、Bさんからの電話は取り次がないようにしてもらいました。
お局さまからも、

「私用電話は困ります」

と釘をさしてもらい、これで電話攻勢から逃れられる・・・
と思ったのです。


が。


いきなりBさんから自宅に電話がきましたよ。
そのうえプレゼントとかいって、が届きました。

ひどくうろたえた私が、Bさんにどうやって知ったのかを尋ねると、

「Aさんから聞いた」

営業員に事務員の住所や電話番号などは教えない決まりになっています。
どうやってAさんが私の電話を調べたかというと・・・

誰もいない日曜日に、休日出勤したついでに事務員の机を漁って、連絡網を探し当てたのでした。

ええ・・・住所も電話番号も「売られて」いたんですね。


Bさんは、Aさんから、

「めがねぶたさん、Bさんのこと素敵だって」
「めがねぶたさん、年上が好きなのよ。早くBさんと家庭持ちたいって」


などと言われて、その気になっていたのでした。

Bさんもちょっと思い込みが激しい方ではありましたが・・・
そう思い込むようにAさんは仕向けて、1億の契約とBさんの部下10人ほどの契約を取っていたんですね。


結局、所長に言ってなんとかしてもらいました。
しかしこの後、私は異動願いを出してこの営業所から去ったのでした。


保険のオバチャンたちは、契約のためなら体を売るといいますが・・・
自分の体を売るならまだかわいいものだと思えた出来事でした。

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