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納涼!ある夏の物語

2002年8月16日  あゆさ


おばさん役人のあゆさです。
夏らしいお話を・・・


用水路をご存知でしょうか?
用水って言うくらいなので、用のある時にたっぷり水を流すように出来ています。

特に農業用水は夏が需要のピーク。
場所によってはとんでもなく深く流れも早いのです。


しかし、このたっぷりの流れが呼ぶのか、それとも「最期は涼しげな所で」と望むのか、入られる方がいます。
えぇ、わざわざ、です。


数年前の大渇水の夏のこと。
用水を管理する事務所に警察から連絡がありました。

「どうやら飛び込んだ人がいる」

黙って飛び込めば分からないのに、靴を揃えて書置きまで残されては・・・
探さざるを得ません。


しかし作業はかなり大変です。
取水口を閉め、関係各所の方々を動員して探しまくります。

万が一、お体が流れ出ないよう出水口まで狭く閉めてしまったら・・・
そう、一時とはいえ水が流れなくなってしまう訳です。しかも記録的な渇水時に!


責任者はあせりました。いつ下流から水が少ないと言われるか。
そこで、若い部下を偵察に出すことにしました。

間もなく、真っ青になって若い部下は帰ってきました。

「発見されてました」

ならば話は早い。警察から取水ゲート開放の許可が出るのを待ちました。
・・・しかし、全然、許可が出ません

「このままでは農家から一揆が起きる!」

と脅かして、もう一回偵察を出すと・・・警察官が報告に現れました。

「先ほど発見した遺体は、死後一週間ほど経過しており古すぎます。我々が探しているのは、もっと新しいものです」


さすがに土左衛門様をそのままにはできず、責任者もあきらめたそうです。
黙って飛び込まれても迷惑には変わらないです。

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